離婚に関する法律の知識
夫婦の一方は、以下の場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。 一、配偶者に不貞な行為があったとき。 二、配偶者から悪意で遺棄されたとき。 三、配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。 四、配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。 五、その他婚姻を継続し難い事由があるとき。 裁判所は、これら(第一項)〜(第四項)の事由があるときでも、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。 【用語解説】 ◆裁判離婚…「協議」や家庭裁判所の「調停」「審判」によらない離婚で、地方裁判所でまず扱われる離婚(狭義の裁判離婚) ◆悪意の遺棄…正当な理由の無い夫婦間の同居・協力・扶助義務違反。 ◆強度の精神病…一方の配偶者の精神障害が、婚姻の目的を達成できない程度に達している場合をいう。 ◆婚姻を継続し難い事由…夫婦関係が破綻してその復元の見込みがなくなった状態をいう。 ◆棄却…訴訟請求の全部または一部を理由なしとして排斥する判決。
第770条(第一項)の離婚原因がある場合でも、夫婦をとりまく一切の事情を考えて婚姻を継続させることが望ましいとなれば、裁判所は離婚請求を棄却できます。しかし、裁判所の主観的判断が適正でなく、正当な離婚請求が無視されることもあるので、(第二項)を削除するよう提案がなされています。
婚姻を続けられない理由について実際の裁判例を分類してみると、次のようになります。 @夫婦の一方が全く愛情を失ってしまい、夫婦として結び付けておくことが不当・不可能な場合 A意にそわない結婚をした妻が夫をつねに批判・冷視したことから、夫が暴行をはたらいた場合 B収入の全部を享楽に使い果たし、女性ともトラブルを起こし、あげくに妻に刃物などを振りまわす・・・ C10年以上も失職し収入の道を求めることもなく妻におんぶしている場合 D妻の強度のヒステリー症で夫婦間がうまくいかなくなった場合など、事例を上げるのに多すぎて困るほどです…。 性格の不一致もこの理由に含まれます。少し不満があると表情や行動に出し、しかもそれがいつまでも続いて、夫婦間がうまくいかなくなる例も多いようです。 アメリカなどでは、子供が少し物事を分かりかけてからの離婚はできる限り避け、子供が18歳になるまで待とうという運動も起きています。子の健全な発育に両親の力がいかに大きいものかを示そうとしたのでしょう。婚姻を継続しがたい重大な事由は、個人主義の発展とともにその範囲を拡大してきています。もっと根本的に考えなおすことが必要でしょう。
夫婦は相互に「貞操」を守る義務(守操義務)があり、夫婦の一方がこの義務に反すると、法律上、違法な行為(不法行為)となります。 これは、その夫婦にとって離婚原因となり、不貞行為を行った夫(妻)に対し、妻(夫)は離婚請求が出来ます。 また、夫婦の一方と不貞行為を行った相手方は、夫婦の他の一方に対して、共同して、他方の配偶者権を侵害するという不法行為をはたらいたことになりますので、相手方も不法行為による損害賠償義務を負います。 この場合、その夫婦が不貞を理由に離婚をしても、あるいはそれを許して結婚を継続していようとも、損害賠償の義務はあるのです。この損害は精神的なものですから「慰謝料」といえるでしょう。 ところで、不貞行為の相手方はつねに損害賠償請求責任があるのかという点については、学説上、次のような考え方が強くなっています。すなわち、不貞をした夫や妻に対してはその不貞を許しておきながら、相手方に対してのみ損害賠償責任を追及するのは片手落ちであり、相手方の方が夫あるいは妻の貞操義務違反に積極的に加担した場合などに限るべきであるという説です。 |
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