離婚に関する慰謝料や養育費の知識


 離婚に関係する費用は?

慰謝料、財産分与、養育費、弁護士費用など…
よく言われる事ですが、離婚は結婚以上にたいへんな労力が必要となり、さまざまな場面でお金がかかわってきます。たとえば、不貞など夫婦のどちらかに明確な責任がある場合には慰謝料を請求されることがありますし、それとは別に婚姻期間中に築いた財産については寄与度に応じて清算する必要があります。これが財産分与です。また、子どもがいればどちらが引き取り、その後の養育費はどうするのかという問題もあります。しかも、利害が対立して夫婦間で話し合いがつかないときには裁判などで弁護士のお世話になることもありますが、その場合には当然弁護士費用が必要になります。

ケースによっては、慰謝料などの負担で丸裸同然の状態で人生をやり直さなければならないこともあります。それだけではなく、慰謝料・財産分与の分割払いで離婚後もお金の苦労がついて回ることもありますし、まだ子どもが小さければ、その後5年、10年以上も養育費の支払いがついて回ります。

離婚の話し合い、その後の新しい生活への船出は心身ともにたいへんなエネルギーを必要とする作業ですが、それにお金の問題がからむことがなおさら事態を複雑なものにしています。離婚を決意する以上、それだけの覚悟が必要ということでしょう。


 慰謝料を請求することができるケース(条件)とは?
離婚する時には必ず慰謝料を貰えると思っている人がいる様ですが、これはたいへんな間違いです。慰謝料というのは、他人の故意または過失によって権利が侵害されたときに損害賠償を求めることができるという民法の規程に基づいています。

したがって、慰謝料を請求できるのは、相手側に不貞、遺棄、暴力などの原因があり、責任が明確な場合に限られます。浮気をして帰ってこない、お金を入れない、暴力を振るうなどのケースがこれにあてはまりますが、離婚の際によく使われる「性格の不一致」や嫁姑の争いなどの場合には、第三者からみればどちらに責任があるのかは必ずしも明確になりません。こうした理由で慰謝料を請求しても、なかなか認めて貰えないのが現実のようです。

では、どれくらの慰謝料になるのかといえば、裁判所の判例をみると、一般サラリーマン家庭の場合には200万円から300万円程度の範囲に落ちつくことが多いようです。不貞や暴力などに対する慰謝料がその程度では納得できないという人もおられるかもしれませんが、残念ながらこれが相場なのです。


 養育費の相場は?
子どもの親権を夫婦どちらが持つにしても、父親・母親ともに子どもの生活費、教育費、医療費などを分担して負う必要があるのは言うまでもありません。親権を持つ親に対して、そうでない親が養育費を支払うのは当然のことです。

裁判所の統計によると、養育費の相場は、子どもが1人の場合には毎月2万円〜4万円程度の場合がもっとも多く、2人の場合は4万円〜6万円程度が多くなっています。

養育費が幾らになるのかは、それぞれの家庭環境、収入などによって違ってくるので、「相場は幾ら」と一概には言えませんが、これが一つの目安になるでしょう。親権を持つ親の立場からすると、子どもを有名私立幼稚園や小学校などに入れたいと思うこともあろうかと思いますが、だからといって毎月10万円、20万円の養育費を求めても、一般の家庭であれば簡単には認められません。他方、子どもが高度医療が求められる病気にかかっている場合などには高額医療費が欠かせませんから、養育費が高額になることもあります。


 養育費の支払いが滞った場合はどうすればいいのでしょう?
協議離婚で養育費の支払いも口約束だけの場合には、支払いが滞ったときには自分自身で支払いを催促するしかありません。それでも支払ってもらえない場合は、家庭裁判所に養育費請求の調停・審判の申し立てを行なうことになります。この調停や審判の結果には強制執行力がありますから、相手が応じないときには給料の差し押さえなどの措置を取ることができます。

しかしいきなりそんな乱暴な措置を取ると、相手は職場に居づらくなり、失業していっそう支払いが困難になります。ですから、その前に調停や審判の結果に基づいて裁判所に「履行勧告」「履行命令」を出してもらうのが無難です。

「履行勧告」「履行命令」とは、裁判所から相手に支払いの履行を促してもらうもので、これで半数以上の人は支払いに応じるようになるそうです。それでもダメなときに強制執行ということになります。

いずれにしましても支払いが滞る事のない様に、協議離婚であっても養育費などのお金の問題に関しては、公証人役場に出向いて「公正証書」を作成しておくのが安心です。これは調停や審判の結果と同様の強制執行力を持ちますので、万一のトラブルを事前に防ぐことにつながります。


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